トラブルを未然に防ぐには?
架空の代金支払いを求める詐欺電話や、身内を装った「振り込め詐欺」。さらに、身に覚えのない相手からかかってくる、投機商品の勧誘といった迷惑電話……。突然のそんな電話に困惑した経験がある方は多いのではないでしょうか。近年社会問題になった「振り込め詐欺」ひとつとっても、さまざまな改善策にもかかわらず一向になくならっておらず、まだまだ多くの被害が発生しているのが現状です。いま何に気をつけるべきなのか、最近の実情と、基本的な対策方法についてまとめてみました。
5人に1人が迷惑電話に遭遇!
警視庁の統計によると、2014年に発生した振り込め詐欺や架空請求詐欺などの「特殊詐欺」による被害総額は、過去最悪の559.4億円にのぼります。これは、被害者の財産を侵害する犯罪のうち、ほぼ半分を占めるほどの被害額です。なかでも振り込み詐欺は、一般的にイメージされるような、親族を装ってお金を振り込ませる手口だけではなく、年々巧妙化しています。警官や銀行員のふりをしたり、犯罪者が直接自宅に受け取りに来るタイプなどさまざまなパターンが報告されています。2014年には、現金を宅配便で送らせる手口が流行し、前年比で約62%も増加しました。
電話による被害といえば、セールスや投機商品の勧誘といった迷惑電話も、古くて新しい問題です。マカフィーがMMD研究所とともに行った調査では、回答者の約22%が「スマートフォンで迷惑電話を受け取ったことがある」と回答しました。そして約5%の人は「被害を受けたことがある」と応えているのです。
怪しい電話には油断せず、アプリやサービスの利用も
電話を悪用した迷惑行為や犯罪に、日頃は、どう対応していけばよいのでしょうか。家族を装った「振り込め詐欺」の電話は、あの手この手でだましにくるため、実際のところ本当か見分けるのは難しいものです。「自分はだまされない」と思う人ほど、だまされやすいともいわれます。日頃から家族・親族同士でコミュニケーションをしっかり取って、近況を共有しておくとともに、電話での呼び方や合い言葉を決めておくなどすると、不審な電話に気付きやすくなるでしょう。
勧誘の電話は、相手に合わせて話していると、ペースに巻き込まれてしまいます。怪しいと感じるものや必要がないものは「興味がありません」「もう電話をかけないでください」など、はっきりと断ることが大切です。業者名や連絡先を控えておき、断ってもかかってくるようなら消費生活センターなどに相談しましょう。またマカフィーは、迷惑電話や詐欺電話の被害から守るAndroid用スマートフォン用アプリの提供をスタートしました。KDDIの「auスマートパス」に契約された方が利用できる「マカフィー セーフ コール for au」は、詐欺電話・迷惑電話のデータベースを活用し、怪しい電話番号から着信があったときに危険度をわかりやすい表示で知らせたり、自動的に着信を切ったりという機能を搭載しています。
NTTドコモで利用できるAndroidスマートフォン向けサービス「あんしんナンバーチェック」も同様に、危険度の判定や詐欺電話・迷惑電話の自動ブロックができますので、これらのサービスの活用もおすすめします。
セキュリティアドバイス
周囲の人と、ネット詐欺について情報共有を
詐欺電話や迷惑電話の被害に遭わないためには、日頃から家族・親族同士でコミュニケーションをしっかり取ることが重要です。一方で、スマホの詐欺電話・迷惑電話対策アプリを使って、既知の危険からご自身を守ることは被害に遭う危険を減らす有効な手段です。日頃の心掛けとアプリによる技術的な防御。どちらか一方ではなく、二つを組み合わせて対策をすることで、詐欺電話や迷惑電話などの被害をより確実に防ぐことができ、安心して電話を利用することができます。
プロダクトマーケティング シニアマネージャー 小川禎紹